桜について

コラム

日本人は桜が好きです。いわゆる 桜の名所と言われるところ以外でもあちこちに、桜が植えられています。
私は、桜は一年中楽しめる 木だなと思います。 
 春、つぼみがだんだんと 膨らんでいくのも楽しいですし、 花が、満開になって、チラホラ と散っていくのも、風情があります。
 夏は 葉桜 。桜の葉は少し 濃いめの緑で、結構 茂ります 。そこを風が、さわさわと吹いていきます。 静けさが心にしみます。
 秋は桜もみじ。カエデのもみじは華やかさを感じますが、桜は葉っぱが半分ぐらい散ってしまって、残った葉が赤くなると、冬の訪れが間近になったことを感じさせて、 しんみりします。
 冬は、全部葉を落としてしまった 桜の枝ぶりは、自然の芸術品というほかありません。

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平) 
 庶民の暮らしをよそに、 貴族って のんきだなと思っていましたが 、大河ドラマの【光る君へ】を見ていると、なかなか大変なようですね。
 「世の中に桜 というものがなかったら、いつ咲くかな?とか この雨で散ってしまうのではないか?とか やきもきすることがないのになあ」 と言う意味ですが、雨風で咲いた花が散るのを心配するのは日本人だけではないようです。
 【春眠暁を覚えず】でよく知られている 唐の孟浩然(もうこうねん)の 春暁(しゅんぎょう)という詩にも、同じようなことが書かれています。

春暁    孟浩然(もう こうねん)
 春眠不覚暁   春眠暁を覚えず、
 処処聞啼鳥   処処啼鳥(しょしょていちょう)を聞く、
 夜来風雨声   夜来風雨(やらいふうう)の声、
 花落知多少   花落つること知る多少(たしょう)
 春には心地よくて眠く、うっかり寝過ごし、目が覚めると、鳥が鳴いている。そういえば、昨夜は雨風の音が聞こえていたが、花は散ってしまっただろうか。
 この詩の花は、庭に咲いている花のことで、 特に桜ではないようです 。(中国では、桜よりも 梅が喜ばれます)

国は違えど、 人々の思いは似るんですね。

コメント